某掲示板でもたまに見かける「初心者がEOSの1DX買うってどう思いますか?」「初めてカメラを買うんですがD6はやめたほうが良いですか?」などの『初心者なのにフラッグシップ(等の上位機種)を買うってどうなの?』という質問。
考え方は人それぞれだと思いますが、私個人としての見解とその理由などを戯言混じりで垂流してみようと思います。
いきなりフラッグシップ機!
こんな私でも「カメラを始めようと思うんですが、最初から高いヤツ買うのはやめたほうが良いですか?」といった質問をされる事がたまにあります。
私のような異端の写真撮りに聞くよりも、もっと正統派の売れている人に聞いたら良いじゃないですか…とは思いますが、一応細々とカメラで喰っている人間として親身なフリをして答えるわけです。
いきなりテーマの結論になってしまいますが、
初心者がフラッグシップ!?むしろアリでしょう!
…というのがあくまでも一個人としての見解。
「く…いきなりフラッグシップ買うなんて羨ましすぎるぞ貴様っ!これだから恵まれた世代は!!」というのが内心ですが、それを押し殺して冷静なフリをしつつ「ええ、必要ならば買ったほうが良いと思いますよ」と答えます。
「買えるならば…」でも「欲しいならば…」でもなく、『必要ならば…』というがミソです。
初心者かどうかではない
単純に買って良いかダメか…で言えば良いのは当たり前。違法なモノじゃないんですから。
「私もクスリに手を出してみようと思うんですが、いきなりコークはやめたほうが良いですか?やっぱりハッパから?」
…とか聞くのとはわけが違います。それならば「うん、まずはハッパかな。最初は信頼できる人と一緒にね」とか答えま…せんよっ!
既婚者で家計のことを考えたりするのは別として、大人が自分の金で何を買おうが自由の自己責任。逮捕もされませんし迫害も受けません。
というかそもそも気にする理由がズレていると思うのですよ。
重要なのは初心者かどうかではなく…
どのくらい本気で写真を追求する気持ちがあるのか?
…のほうがカメラを選ぶ際に大事だと私は思います。
「初心者だけど…」ではなく「写真には別にこだわっていないんだけど…」であれば話は全く別ですから。
どのメーカーでもフラッグシップまたはそれに近い機種を買うならば20~30万は当たり前。ニコンやキヤノンであれば50万でも足りない。レンズも必要ですし、撮影に付随するアクセサリー類も意外に金はかかります。
自分の収入・資産を考慮して、それだけの金額をかけるに値する写真を撮りたい…という欲求があるのであれば、迷う必要はないでしょう。
「今は初心者だけど、いつか雑誌に載っているような綺麗な写真を撮れるようになりたい!」と思ったら、最初から上位機種一択ですよ。「とりあえず手頃な機種を買って、徐々にステップアップしたほうが…」とか考えたらダメです。
○○○だけど…
カメラは決して安い買い物ではないので悩むのは当然。
撮るだけで良いならば安価なエントリー機でも綺麗な写真は撮れますし、わざわざデジタルカメラを購入しなくともスマホで事足りる時代です。
参考までに、よく聞く「購入を悩む理由」をいくつか上げ、それに対しての個人的な見解を垂れ流させて下さい。
機能を使いこなす自信がない
「操作が難しそう」
「たぶんオートでしか撮らないと思う」
…という心配ならば全く気にする必要はありません。オートでしか撮らなくたって良いじゃないですか。そのための上位機種ですよ!…と言ったら言い過ぎですけど。
『いろいろな機能が付いている(イジれる部分が多い)カメラなのに使いこなせていない』ならば将来性もありますし勉強できる要素も生まれますが、『いろいろな機能が付いていない(イジれる部分がない)カメラ』では、ある程度まで使いこなせるようになったら頭打ち。
カメラを活かせていない、もったいない、と思ったら勉強しましょう。安いカメラは満足を与えてくれますが、高いカメラはそれに加えて勉強意欲や向上心も与えてくれるものです。
ちなみにカメラ任せのオートでポン撮りでも、上位機と廉価機では吐き出す画は全く違いますよ。
やっぱり高い…
よく聞く格言に『買わない理由が金額ならば買え。買う理由が金額ならば買うな』というものがあります。
全ての買い物に当てはまるわけではありませんが、ことカメラに関しては一理あるかと。
「高いものを買ってしまった…」をマイナスではなく、プラスに活かしましょう。こんなに高いもん買っちゃったんだから、一枚でも多く撮らなきゃ損だ、上手くならなきゃ損だ…と。
分不相応な機材に手を出すというのは、自分を追い込むにも最適だったりします。
もし万が一挫折したとしても、カメラとレンズは資産ですので上位機種であればそれなりの値はつきます。大事に使いましょうね。
素人だと思われたくない
これはちょっと毛色が違う悩み。
「安いカメラを持っていると舐められるから、高いカメラを持ち歩きたい」という理由で上位機種を買うのは…まぁいいんじゃないですか?(笑)
ブランド服を着るのと一緒ですよ。その人にとってカメラが「瞬間を切り取るための道具」ではなく「自分を立派に見せるための道具」なのであれば、好きなもん買って好きなように使えば宜しい。
私の知人にもオリンパスのエントリー機所有から、「ナメられたくない」という理由だけでキヤノン(ただしエントリー機)を追加購入、さらにニコン(これまたエントリー機)まで買って「被写体によって三機種使い分けています!」と誇らしげにしている人がいますから…(汗)
ちなみにある程度以上に写真をやっている人間が見れば、たとえキヤノンのR5を持ち歩いていようと「あー、素人か」とバレますし、コンデジを使っていても「この人はかなりやる人だな…」と感じたりするものです。
カッコつけが通用するのは素人~アマチュアに対してのみ…と認識しておいたほうが良いです。
覚えてから買ったほうが…
さきほどもちょっと書きましたが「まずは入門機でカメラの基礎を覚えて、ステップアップしていったほうが…」という「真面目かっ!」とツッコみたくなるような思考。いいんです、真面目はあなたの長所。そんなところが好きですよ。
しかし「入門機」の謳い文句に騙されてはいけない。あれは「入門者のための道具」ではなく「入門者レベルの性能しかない道具」です。そこを勘違いしてはいけません。
いずれステップアップしたい…という気持ちがあるならば、将来使うであろう上位機で覚えていったほうが断然役立ちますし、上達スピードも違います。
入門機から~…は結果的に遠回りになったりするんです。
初心者で上位機?あとがき
…というわけで、『初心者なのにフラッグシップ機を買うってどうなの?』に対し、私なりの勝手な意見を垂れ流させていただきました。
価値観や考え方は人それぞれですので、私の見解が絶対に正しい!…と声高に主張する気はございません。あくまでも「とある写真撮りの戯言」として参考にしていただければと。
ちなみに私は『入門機から~』をやって無駄な遠回りをしてしまった人です。お金が許すならば買ってしまいましょう、追い込みましょう、自分を。
あ…最後に一つだけ付け加えておきます。
ニコンやキヤノンの上位機はそりゃもうお値段が高いです。その金額に見合っただけの性能を持っている道具ですから。
しかしその半分程度の価格でフラッグシップ機を買えるメーカーもあります。ドコとは名指ししませんけど。
『こっちのメーカーではミドルクラスまでしか買えないけど、こっちなら同じ金額で最上位機種が買える…』と、金額でメーカーを選ぶのはやめたほうが良いと私は思います。
逆に「こっちなら上位機買えるけど、ランクを落としてでもこっちのメーカーにしたい」というなにかしらの理由(写真表現やマウントなど)があるならば、それは悪い選択ではありません。
そのほうが将来的に後悔しないことが多いです。
・・・・で、ちなみにアナタは何を買おうと悩んでいたんですか?
え?そんなに高いカメラを!?初心者のクセに!?
けしからんっ!!素人はおとなしくチェキでも買ってなさい!!