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om system om-1

今回は2022年3月18日にOMデジタルソリューションズから発売された『OMSYSTEM OM-1』『OLYMPUS OM-D E-M1 Markⅱ』と比較してのレビューです。

なぜMarkⅱ?Markⅲじゃないの?と思うかもしれませんが、ぶっちゃけE-M1 Markⅲは事業売却を控えたオリンパスが『その場しのぎ』で出した迷機。お世辞にも『進化した後継機』と呼べるシロモノではなく、購入を控えた方も多いでしょう。私もそうでした。

しかし今回紹介するポイントはⅡ→Ⅲで変更された部分ではない『Ⅱ・Ⅲ共通の部分』に関する内容が多いので、どちらのユーザーでも問題ないかと思います(E-M1Xは亜種なので触れず)。

数字や理論的な部分は公式等を見りゃ誰でも書ける話ですので、今回は実際に両機を使用した者として「どこがどう変わったのか?」良い点と残念な点をレビューしていきますが、あくまで『個人の意見・感想』ですのでくれぐれもご了承下さい。

注)
試用段階のため、随時追記・編集しています

良い点・嬉しい進化

Markⅱの発売から約6年も経っているので諸元を比べればアレもコレも別モノ。パッと見の外観以外はほぼ全ての部分で進化しています。

センサーの変更による画質向上などは言わずもがなですので、特に「実際に使ってみて感じた点」を重点的にいくつか挙げてみましょう。

性能はもちろん全体的に向上

まず一は全体的に感じた『こりゃヤバいぞ』の部分。

OM-1は『コンピュテーショナルフォトグラフィ』という耳慣れない言葉を前面に押し出しており、要するにデジタル処理による映像表現に力を入れています。

古臭い主義で写真を撮っている方にとっては煙たい部分でしょうが、これからの時代を前線で戦っていいくならばモノにしていかなければ部分でもありますので、そちらにも大いに期待していました。

そこも踏まえ、撮影してみて感じた大きなポイントは・・・

  • ピンが正確で速くなった
    →OLYMPUS機は他メーカーに比べてピント合わせが遅くて迷い気味だったのが、「これか!?これだろ!?」と素早く合わせてくれる。
  • トラッキングもしっかり追う
    →これまでのトラッキング(追従AF)は『狭い・追わない・使えない』でぶっちゃけ無いも同然。しかし今回はしっかり食いつき、フレーム端まで追ってくれる。たまに逃がす事はあるものの、すぐに再度食いついてくれる。
  • 被写体認識が便利
    →鳥も猫も飛行機も(電車は撮らないので未確認)、フレーム内にその被写体があれば多少小さくても認識。追従を併用すればポン撮りでも概ね成功。
  • ハイレゾも深度合成も格段に性能アップ
    →処理の早さも仕上がりも大きな進化。なによりハイレゾ5秒(これまでは12秒)は素晴らしい。そもそも動体には使えないので、しっかり構図を練っての撮影ならば毎回ハイレゾでも撮影ペースに影響がないほど。
  • ライブNDは便利
    →試し撮りをしなくともファインダーを覗いている段階でリアルタイムに仕上がりを検討できるのは嬉しい。ただしシャッタースピードに制限が出るのは残念。

・・・といった感じでしょうか。上記以外にも「おおおっ!?」と思った性能の向上は多々あります。

E-M1 Markⅱと比較すればもはや未来のカメラ気分で、撮影二日目は非常に楽しかったです。(初日は後述のダイヤル問題で捨てたくなった)

画素数は据え置き。しかし画質はケタ違い

OM SYSTEM OM-1の有効画素数は2037万画素と変わり映えなし。

安易に『高画素=良いカメラ』だと思っている素人にはガッカリポイントでしょうが、これが同じ2000万画素でもMarkⅢやMarkⅡとは雲泥の差なのですよ。

正直これまでのE‐M1シリーズはコンデジだったのかと思うほどに画質が向上しています。

表現の方向性も変化しており、これまでのようなベッタリとして平面的な表現から、やや繊細で奥行のある表現になっています。例えて言うならクレヨンからクーピーペンシルになったような気分ですな(色鉛筆とまではいかない)。

※比較写真は後ほど

EVF(とアイカップ)飛躍的な進化

今回の大きな進化の1つが『EVF』

OM-1 Markⅱ(ⅲも同EVF)の欠点とも言えるEVFの汚さ、粗さ、遅さ。これが有機576万画素に変わった事により飛躍的に性能アップしています。

レフ機の光学ファインダーに匹敵する・・・などと書くとレフ機至上主義者が鼻息荒く反論してくるので書きませんが、Markⅱで感じる「液晶画面を見ている」感はだいぶ薄くなっています。

なによりE-MシリーズはEVFが雑すぎて撮影中は『これは美しい(…と思う)』といった感覚で切り取らねばならず、後ほどRAW現像の段階で『やはり美しかった』と確認せねばならなかったところが、撮影中の段階で『これは美しい(確定)』とできるのがモチベーションアップに繋がって非常に嬉しい。これは背面モニタも同様です。

なおアイカップもこれまでのように変な長方形ではなく正方形気味になり、平べったくてガチガチだったゴムも弾力性のあるタイプになっています。

さらにこれまでのアイカップは無理矢理力で外さなければならなかったため、古くなってくるとゴムまで外れてしまったり、付け直すとスカスカになってしまったりと作りがチープ。その点は大きく改善されています。

アイカップ EP-18

『EP-18』はこの部分に押しスイッチが付いており、外す際は押しながらスルッと上にスライドするだけ。装着時も上からカチッと押しこむだけ。

そう頻繁に着脱する部位ではありませんが、使い勝手が良くなっているのは気分が良いです。

ただ強いて言うならば、やはり高さが低すぎる。

真っすぐファインダーを覗こうとすると鼻が当たって無理なので、もう少し高低差が欲しかったですな。もしくは早く大型アイカップを出して頂きたい。

Fnレバーが小型化

om-1 ファンクションFnレバー

これはかなりコアなポイントですが、大きかったファンクションレバー(Fnレバー)が小型化

これまではでっぱりが強く、バッグの出し入れで動いてしまう事がありました。

撮影を始めて「あれ?なんか変だな」と思ったらレバーが動いていた…という事が稀にあり、稀だからこそ気づきづらい部分でもあった。そこが改善されたのは地味に嬉しいです。

しかし『下に動かしてFn1、上に動かしてFn2』だったものが逆になってしまったのは慣れが必要。

あっちいったりこっちいったりするメニューボタンなど、どうしてオリンパスは使い勝手に大きく影響する部分をコロコロと変えたがるのか・・・。そういうところは昔から嫌いな部分です。

良いか悪いか悩む点

大きく進化しているため、中には現段階では判断に悩む点や、メリットデメリットが微妙な点も。

いくつか挙げてみると…

バッテリー変更とボディ充電

om-1バッテリー変更

バッテリーは箱型で味気ない『BLH-1』からE-M1初期型のようなカマボコ型(大きさは別モノ)の『BLX-1』に変更されました。容量も1,720mAhから2,280mAhにアップ。

バッテリーは小さいクセに高額なので保有している予備バッテリーが使えなくなるのは非常に痛いですが、E-MからOMへとシリーズ変更なのでバッテリーが変わるも止む無しかな、と。

ただし、これでOM-1 MarkⅡ(仮)などの後継機が出た際に「またバッテリー変わりまーす」だけは絶対に勘弁していただきたい。それは怒るよ、本当に。

気になるバッテリーのもちは『普通に撮るだけなら1日1個でギリ』といった感じ。追従AFをガンガン使いながらコンピュテーショナル系(ハイレゾや深度合成)を併用すると1日で2個使い切ってしまいます。ガチでいくなら予備を2個用意しておきたいところ。

しかしまさかのACバッテリーチャージャー別売りというのも複雑な気分。

オリンパス時代の『レンズフードは付属しません。別売りです』を思い出しますな…。

アダプターは付属しているのでボディ充電はできますし、別売りでチャージャーはありますが・・・やはりこれは付属品にして欲しかった。

そしてなぜか私のOM-1は何時間充電しても充電ランプが消えません。
(本来は充電完了でランプが消灯。充電は正常にできている)

高感度耐性は進化しているが…

これは基本的に『良い点・嬉しい進化』ではあるのですが、OM-1の高感度耐性は飛躍的に進化しています。

マイクロフォーサーズ最大の弱点は画素でもボケの少なさでもなく、センサーサイズからくる高感度耐性の低さ。

三脚での夜景や星撮りなど、ISOを下げて長秒撮りできる状況なら問題ありませんが、シャッター速度を上げる必要がある夜間撮影や室内撮影などはノイズがひどくて見れたものじゃない。MarkⅱなんてISO2000を越えたら使いもんになりませんでしたし。

しかし今回は『常用25600』と(数字上は)大幅に性能アップし、吐き出してくる画もかなり改善されています。

ただ、それをアピールしたいのかなんなのか『ISOオート・Aモード』などのオート撮影ではととにかくISOがハネ上がる。夜間、家庭用照明のついた室内などではガンガン最大値ISO25600となり、もう少しシャッター速度を落としても良いのでは…と。

たしかにそれでも耐える画を出してはくれますが、とにかく『ISO上げありき』でバランスを取ろうとする挙動は疑問を感じました。

もちろんマニュアル撮影している分には全く問題ありませんし、設定でオート上限を変更することもできるため、ここは『どちらとも言えない部分』です。

惜しい・残念な点

大きな進化と最新技術の導入による長所は多いですが、正直なところ残念な部分があまりにも致命的すぎる。

ただしこちらに関しては完全に個人的な見解ですのでご注意を。

埋め込みダイヤルとシャッターボタン

om-1前後ダイヤル

今回OM-1を購入して最も腹が立ったのはココ。

OM-1はこれまでのシャッターボタン外周ダイヤル形式から、E-M1Xのような埋め込み式ダイヤルに変更されました。開発者いわく堅牢性の重視と、意に反して回ってしまう事を回避してとの事。

これは手の大きさや指の長さに大きく左右される部分でしょうが、個人的には非常に使いづらい。それはもうぶん投げたくなるほどに。

私は指が長いのでシャッターに指をかけた状態ではダイヤル位置が外側すぎて、そのままでは回す事ができない。いちいち少々持ち替えるか無理矢理指を曲げる必要があり、瞬間的に調整することができないうえに長く撮影していると手の腱が痛くなるという。

背面ダイヤルも同様、少し持ち手を変えないと回すことができません。

回しづらいOM-1のダイヤル

SONYのα7シリーズなども埋め込みですが、あちらはグリップ突端にダイヤルが出ているので指が長くても普通に回せます。しかしOM-1は直線部に埋め込んであるうえ、さらにそのすぐ下が出っ張っているというヒドい形状。

E-M1Xの埋め込みとも大きく異なっており、E-M1Xは『径が大きい・凹凸があり滑りにくい材質・スムーズに回る』だったのに対し、OM-1は『径が小さい・凹凸が少なく滑りやすい材質・回転も固い』で使い勝手は全くの別モノ。

たしかに『回しやすい』『回りやすい』なので誤動作にも繋がったでしょうが、だからといって『回しづらい』にしたら本末転倒でしょうに…。

指が短い方は気にもならないかもしれませんが、私はこの部分だけで本気で返品を考えました。

オリンパス使いは昔からチビだったり小太りだったりイモムシ指だったりの人間が多い気がするので、そっちに合わせたんですかねぇ…。

まだORFが未対応

2022年3月末現在、OM-1でRAW撮影したORFファイルを私のWindows10パソコンでは表示することができません。

E-M1 MarkⅱでRAW撮影したメモリーカードをOM-1に入れた際にプレビューできなかったので嫌な予感がしましたが、OM-1のORFはこれまでのORFとは異なるようです(E-Mシリーズ同士はメモリーカードを入れ替えてもプレビューできる)。

私は月額制が嫌いなのでLUMINARを使っているのですが、そちらでも現段階では表示・編集できません。おそらくアップデート待ちとなるでしょう。

追記:Adobe系では対応されましたが、まだ完全対応ではないため画質の劣化があります。
追追記:2022年6月後半にWindowsが対応となりました(Windows10にて確認)。

そのため、現段階でOM-1で撮影したRAWをそのまま編集するには『OM Workspace』の一択。あの古臭い純正ソフトを使えと言うんですよ。あんな使い勝手悪いもん使わないってば。

ある意味RAWファイルではよくある問題ですので、とりあえず『OM-1で撮影したRAWデータ(ORF)』→『DNG Converterを使ってDNGに変更』→『LIMINARで編集』という手段で対応しています。

メニューとメニューボタン位置

om-1メニュー画面

これまでの『縦で大項目・横で詳細項目』というレイアウトから、『横で大項目アイコン・縦で詳細項目(からさらに横あり)』に変更されたメニュー画面。

オリンパスの設定メニューはゴチャゴチャしている事で有名なので、ここは「使いやすくなった」という意見も多く聞かれますが、個人的にはかなり使いづらくなってしまいガッカリ。

これまでは十字キーだけで操作できたのに、上に並ぶ大項目のアイコンは『フロントダイヤルで選択』になっているというのがとにかく嫌。(一応十字キーだけで隣項目に移動も可能ではある)

さらにMarkⅲの時になぜか『背面左上』に行ってしまったメニューボタン位置のせいで、あれこれと設定を変更する際は片手ではなく両手を使わされるハメに。

結局のところ『右手の親指一本』で済んでいた操作を『右手の親指と人差し指、さらに左手の親指』まで使わされるという改悪っぷりにうんざり。

ホント、つくづくオリンパス(現OMデジタルソリューションズ)って操作系に関してはどうかしてません?

OLYMPUSのロゴ

om-1ブランドロゴ

なにかと物議を醸しているブランドネームですが、今回は『OLYMPUS』と『OMsystem』のダブルブランド

しかし私としては、オリンパス時代のE-Mシリーズから新たなOMシリーズとなったこのタイミングできっちりと『OLYMPUS』から『OM SYSTEM』に変更すべきだったのではないかと。

事業売却の時から「オリンパスの名を消す事は許さない!!」などと騒いでいる病的な信者がいるため、どうやらそういった層への配慮もあるらしいのですが・・・正直そういう人間はいつまでもバカみたいに騒ぎ続けますし。いいかげん明確に「もうオリンパスではない。我々は新会社として良い製品を作っていくのだ」という意思表示を示して欲しかった。

仮にこの後『OM-5』や『OM-10』(仮)などの展開があるのだとしたら、またその時にギャーギャーと「オリンパスの名が消えるのは許さん!」などと騒ぐアホが出てきてしまい、余計なうっとおしさを引き延ばすだけじゃないですか…。

『OLYMPUS』はブランドネームでもありますが、会社名でもあります。オリンパスという会社が完全に無くなってOMデジタルソリューションズに変わったのならば話は別ですが、別会社として今も存在しているのですよ。しかももうデジタルカメラとは無関係な会社として。

それをいつまでも「許さない!」とか「ずっとOLYMPUSを使え!」などと騒いでいるのは、フラれた女にいつまでも粘着するキモ男と同じ。いくら騒ごうとも『デジタルカメラ会社としてのオリンパス』は戻ってきません。捨てられたのですよ、私たちは。それをしっかり受け入れたうえで、新たな恋人となった『OM SYSTEM』を認めて良い関係を築いていくほうがよほど前向きでしょう。…まぁそういう事を騒いでいるのはリアルにキモ男だったりしますけど。

もちろん私も古くからのオリンパスユーザーなので悲しい気持ちはあります。しかし写真はロゴで撮るわけではありません。

ペンタに『OLYMPUS』と書かれていなければ良い写真は撮れませんか?『UNKO』と書かれていたらウ〇コみたいな写真になりますか?それならば好きに騒げば宜しい。

超個人的なまとめ

…というわけで、あくまで個人的な点数ですが『E-M1 MarkⅱからOM-1に乗り換えた者』としての購入直後の評価は…

80点

です。

とにかく『フロントダイヤルの回しづらさ』『メニュー操作のストレス』があまりにも大きい。

しかしそれを補って余りある性能向上とコンピュテーショナル系の恩恵は無視できません。

操作系があまりにもクソすぎるので複雑な心境ですが、認めざるを得ない…というのが正直な感想ですな。

E-M1 MarkⅢを買ってしまった方は悩むところでしょうが、MarkⅡ使いならば大きな進化を感じられる素晴らしい1台なのではないかと。

どこぞのメーカーのように『発売日決定・予約開始』→『その日のうちに3ヵ月待ち』のような状況でもないので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

ただし、できれば試写もしくはせめて手に持ってみる事をお勧めします。

それにしても今のカメラは初期ロットが少なすぎて、発売日にはすでに『〇ヵ月待ち』になるのが・・・ねぇ。この風潮もどうにかならんもんですかね。