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売却騒動以前から発表されていたオリンパスの化け物レンズ、『M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO』がついに発売となりました。

どこからツッコんで良いのかわからないほどに「異端児臭」をプンプンさせているレンズですが、オリンパス愛好家としては注目せざるを得ない。いえ、目を背けたくとも背けられないような怪しい魅力を放つレンズです…。

M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

スペック等に関しては今更説明するまでもないと思いますので、ざっくりと。

35mm換算300-800mmという超望遠に1.25倍テレコンバーターを内蔵し、レバーをガチャ!で375-1000mm(35mm換算)、さらに2倍テレコンバーターMC-20も装着できるため、そうすると750-2000mm(35mm換算)という頭のおかしな数字に。

どこぞのマグロみたいな超々大型望遠レンズよりも高い撮影倍率を誇りながらも、片手でぶんぶん振り回せるという・・・キチ○イのようなレンズになります。

F値は4.5通し。内蔵1.25倍テレコンを使用すると5.6通し。

最大撮影倍率は0.29倍、しかしMC-20を組み合わせると1.43倍となり、望遠マクロとしては十分すぎる性能になります。(ただし焦点距離2000mmですからね…)

そして手ぶれ補正は最大で8段(OM-D E-M1Xとの組み合わせ)。ただでさえオリンパス機に慣れると雑にシャターを押すクセがついてしまうというのに、まだ段数を上げてきますか…。

もはやセンサーがマイクロフォーサーズという点を知らなければ異次元のレンズと言っても過言ではないでしょう。もちろん、その異次元性能はマイクロフォーサーズだからこそ実現できているのですけど。

ちなみに気になるお値段は…

100まんえん(笑)

異様にキリが良すぎる数字に「小学生かっ!」とツッコミを入れたくなりますが、一般向けの実売価格は90万円弱のようです。なお店頭に並ぶことはなく、完全受注生産品とのこと。

不要だが欲しい

実際に使用してのレビューを書ければ最高なのですが、さすがにおいそれと購入できるレンズでもありませんので…スペックから読み解くエアレビューとなるのが悔しいところ。

しかしさらっと諸元を眺めただけでも『マイクロフォーサーズの強みを最大限に発揮した製品』であることは明らかですし、価格だけでなく完成度でもマイクロフォーサーズレンズの頂点といえる製品でしょう。

購入するのは【ごく一部のプロ】と【ごくごく一部のマニア】に限られると思いますし、普通にカメラで食っていくのに2000mm(MC-20着用時)なんて不要、800mm(内蔵テレコン不使用時)でも余すほどですので、おそらく私のカメラ人生とは交わることのないレンズでしょう。

それなのに、なぜか「自分には関係のないレンズだ」と割り切れないモヤモヤ感。もし今、宝くじで100万円当たったら注文してしまいそうなドキドキ感。

やはり、

マイクロフォーサーズ初の白玉

という無意味なプレミアム感が欲望をツンツンと刺激するのです。てっきり試作モデルだけだと思ったのに、まさか製品版も白のまま送り出してくるとは…。

白い化け物・あとがき

…とはいえ、もちろん買いませんし買う予定もありません。あればあったで遊びには使用できると思いますが、趣味の範疇を越えた金額ですので。

望遠遊びをするならば4万円でお釣りがくる【M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II】で十分です。

描画はヌルく、暗くて使い勝手も悪いですが…まぁこの価格ですので。お遊びで使うならば便利なレンズですよ。明るければ野鳥撮影ごっこもできますし。

なにはともあれ・・・

映像事業譲渡の騒動から半年が経過し、あれこれと騒ぎ立てる輩も落ち着いてきました。それ以前から開発されていたこの150-400mm F4.5 ISも無事に発売されましたし、今のところ譲渡がオリンパスユーザーにとって追い風となっている兆しも見えます。

今後もマイクロフォーサーズは継続し、プロユースのレンズ開発を重点的におこなっていくとの事ですので・・さらなる化け物が生まれることを楽しみに待つことにしましょう。そしてE-M1 MarkⅣも…。