
今回はストックフォトサービスとしては日本国内最大手とも言える『PIXTA』について、果たしてどのくらい稼げるの?素人でも簡単にできるの?審査は難しいの?…といった点をゆるーくご紹介します。
スマホカメラの進化&SNSの浸透に伴い、プロでなくとも美しい写真をガンガン撮って公開できる時代になりました。それに負けじとデジタルカメラも日進月歩で高性能になり、今や素人のポン撮りでも美しい写真が撮れてしまいます。
そして写真が趣味という方の副収入として、真っ先に挙がるのが『ストックフォト』です。撮った写真をインターネットを通じて売ってしまおう!というものですな。
PIXTA

クリエイター登録方法
まずはPIXTA公式ページからクリエイター登録。

必要事項を記入します。身分証明書の提出が必要ですので、偽名などで登録はできません。
登録が完了したらオンライン入門講座を受け、その後入門テストに全問正解する必要があります。

文字を読んだり覚えたりするのが嫌いな方には面倒かもしれませんが、決して難しすぎる問題ではありませんので、しっかり入門講座を学べば一撃全問正解できるレベルのテストです。
たとえ間違っても不合格となるわけではなく、不正解だった問題を指摘してくれますので、その部分を調べた後に再度テストに挑む事ができます。
晴れてテストに全問合格できればクリエイター登録は完了。写真素材をアップロードし、審査を受けましょう。
審査にかかる時間は?

アップロードした素材写真はこのように一覧で表示されます。
まずは『審査中』となり、審査に合格すれば『販売中』に。審査に落ちれば『審査NG』と表示され、ざっくりとしたNGの理由も提示されます。
審査に要する時間は人によって大きく異なるようですが、初期の頃は5~10日程度が目安かと。素材数が増えて投稿枚数制限が増える(クリエイターとしての信頼度が上がる)につれ短くなっていく印象です。
今現在、私は最短で5~10分程度(アップロードし、他の作業をしているうちに審査通過)、最長で3日程度です。
PIXTAは審査が厳しい!?
「PIXTAは審査が厳しい」という噂を耳にすることがあります。
しかしこればかりは人によってアップロードする素材のクオリティも異なりますし、感じ方も人それぞれで一概には言えない部分。
あくまで一例ですが、私は写真を始めたばかりの頃にクリエイター登録して通過率は80%ほど。1~2年続けて審査のコツを掴んでくると90%を超え、現在は99.9%以上で通過しています。
これは別に写真技術が上がったというわけではなく、何がNGで何がOKかの基準を掴んだおかげ。Pixtaがどういった部分に厳しく、どういった部分に甘いのかを掴めれば、凡ミスをしない限り審査落ちはありません。
ちなみにAdobe stockでは今でも3割ほどNGを喰らっているので、pixtaの審査は甘すぎるほどだと思っています。
そしてごくごく稀に審査落ちになった場合でも、こちらが見逃していた小さな部分などが原因であるため、納得のいかないNGはありません。むしろ「しっかり見てくれているなぁ…」と感謝するくらいです。
ただし重ねて言いますが、人によって撮る素材や仕上げも異なるため、一概に『甘すぎる』とは言えないでしょう。
これからPixtaでクリエイター登録を考えている方が特に注意して欲しいのは、『車のナンバープレート処理』と『ロゴ』(とプロパティリリース)。
たとえ車が主題となっていなくとも、『ナンバープレートが識別できる車』が写っていればはNG…というのは常識ですが、Pixtaでは『完全に消して、ナンバープレートが付いていないように見える状態』もNGをくらう場合があります。シンプルに真っ白なプレート(緑ナンバーは全て緑で塗りつぶす)にすれば通過します。
そして『ロゴ』に関して、他クリエイターがすでに販売している素材はあまり目安になりません。
一例を挙げれば・・・公開中の素材で『郵便局(JP)のロゴマーク』がついている写真が多数ありますが、現在はロゴが写っていたらほぼNGになります。
建造物などでも、他作品はプロパティリリース無しで公開されているのに、自分もアップロードしたら「プロパティリリースを提出」とされる場合があります。
このあたりは油断せず、しっかりと権利を考えてアップロードしましょう。
素材アップ数に制限あり
ストックフォトは大量にアップロードしたからといって売れるものでもありませんが、収入に繋げたいのならば数を増やすことは絶対条件。100枚や200枚では話になりません。
しかしPIXTAは『クリエイターが1ヵ月に投稿できる枚数に制限がある』というのが大きな特徴。登録直後は1ヵ月たったの10枚しか投稿できません。
この枚数制限は単純に長く登録していれば増えていくというわけではなく、
・写真のクオリティ
・写真セレクトの確かさ(審査NGが少ない)
・タグ付けの的確さ
によって増えていくそうです。
これを不満点としている方もいるようですが、私はむしろPIXTAの素晴らしい部分ではないかと。
この制限が無ければ、さほど技術のないクリエイターまでが不適切なタグをつけて大量にアップロードしてくる事になります。それではピクスタ側の負担が増え、その負担は結果的にクリエイターにのしかかってきます。
クリエイターの質と販売素材のクオリティを保つためにも、良いシステムと言えるでしょう。
もちろん、「いつまで経っても少数しかアップロードできない」という事はなく、『素材のクオリティが申し分なく、タグ付けも適切』という真っ当なやり方をしていれば制限枚数はみるみる増え、数ヶ月もあれば上限300枚以上になるので問題ありません。
どのくらい稼げるの?

これも人によって大きく違いますので、一概には言えない部分ですが・・・ぶっちゃけPIXTAは他のストックフォトサービスよりも販売数は伸びづらいです。
理由は登録写真総数と間口の狭さ。
pixtaに登録されている写真総数は他ストックフォトに比べれば少なく、さらに国内向け素材の多さから利用者もほぼ日本国内に限られています。海外ユーザー向けの展開もしているようですが、Adobe stockのように海外ユーザーのダウンロードでの伸びはあまり期待できません。
ゆえに『ピクスタ=あまり売れない』というのがストックフォト界隈での定説です。
しかし決して稼げないというわけではなく、多い方は月額10万円以上を売り上げていますし、中には月額100万以上の方もいます(それはごくごく一部ですが)。
顧客層をしっかり見極め、適切な写真をアップロードし続けることにより、売り上げは確実に伸びていきます。
これはピクスタだけに限った話ではなく、ストックフォトのクリエイターでまともな収入になっているのは上位数パーセント程度ですので、努力と忍耐と研鑽を積み重ねていきましょう。
PIXTAで売れやすい写真
ひと昔前であればストックフォトサービスの売れ筋は『人物、特に子供』がド定番で、とりあえず子供に何かさせて写真を撮れば売れる!!といった時期も確かにありました。
しかし多くのサイトで『子供の写真が売れる!』と騒ぎ立てた結果、みんな考える事は同じになってしまい、現在はそのあたりは飽和状態。
たしかに『ただの風景写真』よりは需要がありますが、一時期のような爆発力はなくなっています。
特にPIXTAは人物写真専門のガチプロが多く在籍しており、しっかり予算をかけてクオリティの高い写真を送り出してきますので、そのジャンルで戦うには+αの工夫が必要となります。
それ以外では
・ビジネス資料向け写真
・季節感のある写真
・観光地の写真
が売れやすい傾向にあります。
pixtaは国内の旅行代理店や旅行雑誌、不動産等の顧客も少なくないため、他ストックフォトで売れ筋になるような『シンプルなブツ撮り』よりも『行楽地の紹介に使えそうな素材』なども良く売れます。
ただしそういった場所の多くはプロパティリリースが必要になるため、くれぐれも無断撮影は行わないこと。勝手に撮って勝手にアップロードは後々のトラブルに繋がりますのでご注意を。
PIXTAで稼ぐ方法・まとめ
数あるストックフォトサービスの中、クリエイター目線で見たPIXTAの特徴をまとめると…
- 大手だが審査はかなり甘い(最低限のスキルがあれば)
- 安易な小細工は通用しづらい。誠実にやれば確実に伸びる。
- 他ストックフォトサービスよりもクリエイター目線で考えてくれている
- 国内向けなのでAdobe stockなどに比べるとダウンロード数は劣る
となります。
①の『審査』に関しては人によって感覚が異なるので難しい部分ですが、他の大手ストックフォトサービスと比較した感触では非常に甘いと感じます。
もちろん某素人向けストックフォトなどとは比較になりませんので、一定の撮影スキルは必要です。
②『小細工なしで誠実に…』はどんな事柄にも共通する話ですが、ピクスタに関しては制限枚数の変動があるので特に注意。
初期の頃はしっかりと素材を厳選して投稿する必要がありますし、関係のないタグまでダラダラと付けていては枚数制限の伸びは悪くなります。
そして審査が甘いからといって質の悪い素材ばかり投稿していると、制限枚数の減少もあります(私は実際に1度減らされています)。
逆に、しっかりと先を見て誠実にやれる方であれば、制限枚数はあっという間に増えていきます。
③の『クリエイター目線』は詳しく説明すると長くなるので割愛しますが、ピクスタは他ストックフォトサービスよりも『クリエイターを守ろう、クリエイターを大事にしよう』という気持ちが感じられます。
どことは言いませんが『自分たちに都合の良いシステムと規約にし、何かあればクリエイターに全責任をなすり付ける』というところもありますので、ここはとても重要。
④『基本的に日本国内向け』はメリットにもデメリットにもなる部分ですが、PIXTAの顧客層をしっかり考え、国内需要を意識して素材をアップロードしていく必要があります。
これは単純に『国内の写真が売れる』という意味ではありません。柔軟に考えれば理解できると思いますが、ピクスタでは海外の風景写真などは売れ行きが良いです。Adobe stockで日本の風景写真が売れやすいのと同じですな。
・・・・というわけで。
とりあえず興味のある方は試しにクリエイター登録をし、手持ちの写真を10枚審査してもらうのも良いのではないかと。
その結果で「ここは無理」または「意外にイケる」と判断しても良いかと思いますよ。
