【当ページには広告が含まれています】

コンパクトデジカメやスマホなど、レンズ交換式でないカメラを使っているのであれば『〇〇倍ズーム』という表現はなじみ深いかと思います。

しかし一眼やミラーレスなど、レンズ交換式のカメラを持っている時に『それ何倍ズームですか?』と聞かれると、それはもう返答に困る事に。

私も観光地などでたまーに聞かれる事があり、「あー、えーと、何倍…そういう表現だと、今付けてるレンズは…いくつだ?あー…」とか考えているうちに「いやいや、だからズームの倍率だよ!」などと、まるでこちらが初心者であるかのような口ぶりで言われてしまったり。

思わず「貴様の低レベルな知識に合わせた答えを考えてやってるんだろうが、この愚民が!」と言いたくもなりますが、そんな事を言っても始まりません。

今回は『〇〇mmという表記のレンズ。それが〇〇倍ズームで考えた場合、どのくらいになるのか…』という事を、ゆるーく解説いたします。

そもそも〇倍ズームとは…

ズーム倍率

上の写真はコンデジなどに表示されている、ズーム倍率。これは60倍ということですな。

この『〇〇倍ズーム』すなわち『レンズの倍率』の計算式は、『望遠端÷広角端』になります。

つまり24-120mmレンズであれば5倍ズームという事です。

しかし100-300mmのレンズであれば3倍ズームですので、さきほどの24-120mmよりも倍率は低くなります。しかし焦点距離は遥かに望遠寄りですので、遠くの物を拡大するならばこちらのほうが大きく見えます。

さらに『望遠端÷広角端』という事は、単焦点レンズは1倍ズームという事になりますので、600mm単焦点レンズはアホみたいに望遠なのに『1倍ズーム』のレンズです。

そう、『〇〇倍ズーム』という言葉は、決して『どのくらい遠くまで撮影できるのか』という意味ではないのです。

しかし『それ、何倍ズーム?』と聞いてくるような人間は『どのくらい大きく見えるようになるの?』という意味で質問しているので、バズーカみたいなレンズを持っておきながら「3倍ズームです」などと答えたところで、こちらが間違っているとしか思えないのです。あらやだ、これだから愚民は。

むしろコンデジに合わせてみよう!

基本的にレンズ交換式カメラのレンズで『〇〇倍ズーム』という表記が使われない理由は、上記のように〇〇倍という考え方はあまり意味をなさなから。それよりもmmで言えば良いだけの話です。
(一部の高倍率ズームレンズなどで、広い倍率幅を表現するために使用されることはあります)

しかしコンデジもスマホも広角端はほぼ全て24mmや28mmから始まるため、『〇〇倍ズーム』という表現で『どのくらい望遠できるのか(拡大できるのか)』を示しています。これをそのまま勘違いしている人が多いのでしょう。

私も初めてコンデジを買った頃は『何mmとか言われてもわからん!それよりも何倍ズームと書いたほうがわかりやすいじゃん!!』などとバカな事を思っていましたから。愚民の戯言とバカにはできんのですよ。

ちなみにそんな『〇〇倍ズーム=望遠力』という勘違いを加速させるバケモノコンデジ、ニコンP1000の焦点距離は4.3-539mm。まさかの125倍ズームになります。なんだその数字。

なお一般的なコンデジは広角端が4.3mmと異常な数字になっていますが、それはセンサーサイズが小さいため。1/2.3型センサーですので、35mm換算するには5.6倍しなければなりません。換算するとこのNikonのP1000は24-3000mmのレンズが付いているという事になります。なんだその数字。

イメージセンサーのサイズと35mm換算の計算式は?

今回はデジカメの『イメージセンサーのサイズ』と『35mm換算(フルサイズ換算)する方法(計算式)』についてご紹介。 フルサイズ・APS-C・マイクロフォーサーズなどそれ…

・・・・ということで。

『〇〇倍ズーム』というのは、ほぼコンデジでのみ使用されている表現ですので、おそらく『〇〇倍ズームなのか知りたい』という方もコンデジ脳で考えています。ならば…

使っているレンズがコンデジ基準だった場合、〇〇倍ズームくらいになるのか

…を考えれば済む話。素人の方にはそのほうがわかりやすいでしょう。

現在の一般的なコンデジは大半が24mmから始まりますので…

仮に24-120mmのレンズであればそのまま『5倍ズーム』で良いでしょう。もし240mm単焦点のレンズがあるとすれば『10倍ズーム』という事になります。

10倍ズームのコンデジで最大望遠した場合と、240mmのレンズで撮影した場合はほぼ同じという事です。(画角のみに関してなので、ものすごく乱暴な意味での「同じ」ですが)

つまり…『レンズの焦点距離÷24=〇〇倍ズーム』という計算式が生まれてしまいます(笑)

もし中途半端なカメラ好きのオジサンに「それ、何倍ズーム?」と尋ねられた時はこれで答えておきましょう。そうすれば彼らは満足です。もしかしたら「意外と無いんだね」もしくは「その大きさでそんなわけないだろ」とくるかもしれません。20倍や40倍が望遠だと思いこんでいるのがコンデジ脳の特徴ですから。

慌てて計算を間違い、ちょっとズレた数字を言ったとしても大丈夫ですよ。どうせこっちの答えなんて家に帰って焼酎を飲めば忘れるんですから、そういうオッサンは。テキトー、テキトー。

それ何倍ズーム?のお話・まとめ

こう考えると、コンデジって小さいクセにホント遠くまで撮れるんですよね…。

私も昔買った60倍ズームのコンデジをまだ所有しているのですが、35mm換算すると24-1440mm。これに比べてしまうとちょっとした望遠レンズなんて屁みたいなもんです。

もちろん画質が云々といった話はありますし、そもそも特殊な状況を除いてそんなに遠くを撮影する必要はありません。しかし「とりあえず望遠撮影できれば良い」というのであれば、コンデジに勝るものはないでしょう。マイクロフォーサーズなどはそこも利点の1つですし。

交換式レンズの『〇〇mm』という表現は慣れるまでは実に意味不明ですが、理解さえしてしまえば非常にわかりやすい表記。

もし『カメラのレンズの〇〇mmとか意味わからないよ。それって何倍ズームってこと?』という疑問から当ページにたどり着いた方は、ぜひ少し学んでみてください。意外と簡単ですよ。

コメントを残す